東京2020五輪で正式種目として初採用され、注目を集めた「スケートボード」。ドイツで6月6日から開催される世界大会に出場する選手が、戸塚区にいる。
上倉田町の戸塚スポーツセンターで副所長を務める土田美玲さん(25)。スケートボードの中でも「フリースタイル」と呼ばれる種目で、2018・2019年連続で世界ランク1位の記録を持つ実力者だ。
平らな地面で技競う
フリースタイルとは、平らな地面を滑りながら、好きな音楽に合わせて技を繰り出す種目。技の完成度や難易度、表現力で得点を競い合うため、土田さんは「フィギュアスケートのような競技」と説明する。
オリンピック種目の「ストリート」や「パーク」は急斜面や複雑な構造物の上を滑走するのも見どころ。一方、ボードと適切な地面があれば誰でも始められるのが、フリースタイルの特徴。「怪我の心配も少なく、子どもや女性でも安心だと思う」と土田さん。
ダイナミックな技が武器
磯子区出身の土田さんがスケートボードを始めたのは、小学3年生の時。自宅にあったおもちゃのボードを持って、公園で滑ったのがきっかけだった。
当初はストリート専門だった土田さん。小学校高学年になると大会にも出場し始め、国内外問わず活躍の場を広げるようになっていった。
フリースタイルに転向したのは「怪我を避けて長く続けるため」と話す。2017年にはアメリカのスケートボードブランド「Moonshine Skateboards」のチームの一員に。自分の名前が入ったボード「シグネチャーデッキ」を発売し、実質的なプロ入りを果たした。
自らの強みを「スピード感と、見た目が派手な技」と語る。回転や跳躍を生かしたダイナミックな技は、ストリートで経験を重ねてきた土田さんならではの武器だ。別種目からフリースタイルに転身する選手は少ないといい、「他の人と技が被らないのも強みです」。
経験を仕事に生かす
日本ではまだ認知度の低いフリースタイルを広めようと、イベント出演や体験会の講師など、普及活動にも力を注ぐ。大学卒業後、横浜市スポーツ協会の職員となって以降は、自分の経験を仕事に生かしたいと新たな夢を持つように。「10月には戸塚のスポセンで体験会の講師も務めます」と早速チャンスを得た。
大会を目前にした今、普段週2回の練習時間を3、4回に増やし、本番と同じ90秒間のパフォーマンスを繰り返す。「正直、中高生ぐらいが選手のピークではある。でも、入賞はしたい」。志を高く持ち、世界の舞台で心のままに踊る。
![]() 愛用のボードを抱え、笑顔の土田選手
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