川崎市独自の介護施策である「かわさき健幸福寿プロジェクト」が今夏で10期目を迎える。第8期までに2千以上の事業所と3千人以上の高齢者がプロジェクトに参加して状態の改善に挑み、459人の要介護度が改善した。
「かわさき健幸福寿プロジェクト」は、要介護度の改善と維持に積極的に取り組んだ市内の指定介護保険事業所(介護サービス事業所)を応援するため、市が報奨金などで支援する制度。要介護認定で1から5の状態にある利用者(高齢者)が、事業所と共に一定の取り組みを続け、要介護度が改善した場合に利用者本人を表彰し、事業所に報奨金を贈る仕組みだ。
プロジェクトが本格スタートした2016年から、集計が完了した第8期までの参加業所数は延べ2355カ所で、参加した高齢者数は市内の介護サービス事業所を利用する3393人だった。
第8期の参加者551人のうち要介護度が改善したのは85人で、高齢者の身体機能を測る指標「日常生活動作」(ADL)が改善した人は6人だった。改善した利用者を支える各事業所が対象となる報奨金は、延べ219事業所に贈られた。
杖なしで歩きたい
第8期に要介護度が改善して「金賞」を受賞した黒木則行さん(77)のケースでは、脳出血の影響で左手足に麻痺や感覚障害が残ったため2022年1月に「要介護4」と認定されたが、本人が「杖なしで歩きたい」と強く希望した。介護支援専門員や福祉用具専門相談員、理学療法士などがチームケア体制を整えて黒木さんのリハビリをサポートした結果、杖は欠かせないものの毎日1時間ほどの歩行が可能になった。
23年10月には「要介護2」と2段階の改善がみられ、金賞受賞後も「同窓会に参加する」などの目標を設定し、チームケア体制でリハビリに励んでいるという。
市では今年7月から来年6月までの第10期の参加者を募集中だ。介護サービス事業所が利用者の希望と意志を確認のうえ、オンラインまたは書面で市に申し込む。市の担当者は「介護の現場を応援するプロジェクト。多くの事業所に参加してほしい」と話している。
問い合わせは市高齢者事業推進課【電話】044・200・2454。
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